
2026年1月、77歳でインドを一人旅しました。アグラ、ジャイプールを巡った後、列車でデリーへ戻り、レッド・フォートやラージ・ガート、ジャーマー・マスジド、インド門などを訪ねました。
列車のホームが出発直前に変わったり、モスクで思いがけない料金を請求されたりと、最後まで驚きの連続でした。今回は、インド旅行の締めくくりとなったデリー観光の様子を紹介します。
※本記事の料金や交通情報は、2026年1月に訪問した当時のものです。
ジャイプールからデリーへ
ジャイプール・ジャンクションからデリー・カント駅まで、列車に乗って移動しました。

出発の約2時間前に駅に到着し、ホームの電光掲示板を何度も確認しながら列車を待っていました。
これで安心だと思っていたのですが、出発の5分ほど前になって、突然その表示が消えてしまったのです。

どうして?
さっきまで確かに表示されていたはずなのに、行き先も列車番号も分からない状態になりました。
一気に不安が押し寄せ、「本当にこのホームで合っているのか?」と焦りがこみ上げました。
ふと周りを見ると、待っていた人たちが一斉に動き出し、隣のホームへ移動し始めました。
その様子を見て、**「あ、ホームが変更になったんだ」**と直感的に理解しました。
アナウンスもよく分からないまま、ただ人の流れについていくしかありません。
それでも驚いたのは、誰一人として不満を口にしていないこと。
皆、当たり前のように静かに移動していきます。
その光景を見ながら、「きっとインドではこういうことが日常なんだろうな」と、妙に納得している自分がいました。

車内は相変わらず満席でした。


こんな弁当も料金に含まれていたのですが、正直に言うと、お米はあまりおいしいとは感じませんでした。

到着したのはデリー・カント駅です。デリー・カント・メトロ駅まではトゥクトゥクで移動し、そこからメトロを利用して、旅の初日にも宿泊した「CASA CENTRAL」へ向かいました。
BSG Headquarters(インド創価学会本部)を訪問
ホテルにチェックインして少し休憩した後、デリーにある**インド創価学会本部(BSG Headquarters)**を訪問しました。
海外の創価学会の拠点を訪れるのは、フィリピンに次いで2回目です。インドではどのような雰囲気なのだろうと、少し緊張しながら向かいました。


**Bharat(バーラト)**は、ヒンディー語やサンスクリット語でインドを表す名称です。

建物に入ると、まず感じたのはとても落ち着いた雰囲気でした。
施設内はきれいに整えられており、静かな空気の中で会員の方が温かく迎えてくださいました。言葉は違っても、笑顔で挨拶してくださる姿から、世界共通の人のつながりのようなものを感じました。
インドでは宗教や文化が非常に多様ですが、その中で人々が平和や幸福を願いながら活動している様子を知ることができ、とても印象に残りました。日本とは文化も生活も大きく異なりますが、同じ理念を共有している人々が世界各地にいるのだと実感しました。
今回の訪問は、単なる観光とは違い、インド社会の一面や人々の思いに触れる貴重な体験になりました。旅の中で、こうした交流ができたことはとてもありがたいことだと感じています。
地下鉄駅の出口で牛に遭遇

メトロ駅から外に出ようとしたとき、地下鉄の出入口のすぐそばに 牛 がいました。
インドでは牛が大切にされているとは聞いていましたが、まさか地下鉄の出入口にいるとは思わず、思わず足を止めてしまいました。
近代的で整備された地下鉄の駅と、牛という光景の組み合わせは、日本ではまず見ることがありません。そのギャップに、私は再び驚かされました。
しかし周りの人たちは特に気にする様子もなく、当たり前のように牛の横を通り過ぎていきます。その様子を見て、「ああ、ここはやはりインドなんだ」と実感しました。
旅をしていると、有名な観光地だけでなく、こうした何気ない日常の風景こそが強く記憶に残るものだと感じます。地下鉄の出入口で出会った牛も、私にとって忘れられないインドらしいワンシーンになりました。
レッド・フォート訪問
レッド・フォートは、インドの首都デリーにあるムガル帝国時代の壮大な城塞で、インドを代表する歴史的建造物の一つです。赤い砂岩で造られていることから、**レッド・フォート(赤い城)**と呼ばれています。
基本情報
- 建設:1638年~1648年
- 建設者:ムガル帝国皇帝 シャー・ジャハーン
- 世界遺産:2007年に ユネスコ の世界遺産に登録

レッド・フォートに近づくと、まず目に入るのは長く続く巨大な赤い城壁です。そのスケールの大きさに思わず圧倒されました。門をくぐると、城塞の中には広い敷地と歴史的な建物が並び、かつてここにムガル帝国の皇帝が暮らしていたことを想像すると、まるで歴史の中に入り込んだような気分になります。デリーの喧騒の中にありながら、城内にはどこかゆったりとした時間が流れているようでした。
ラホール門(Lahori Gate)
レッド・フォートの正門で、多くの観光客がここから入場します。独立記念日にはインドの首相がこの門の上から演説を行うことで知られています。

ディーワーネ・アーム(一般謁見の間)
皇帝が民衆や役人と謁見した場所で、ムガル帝国の政治の中心でした。

ディーワーネ・カース(特別謁見の間)

皇帝が重要な客人と会うための豪華な建物で、かつては有名な「孔雀の玉座」が置かれていました。
チョーレー・バトゥーレー
レッド・フォートからラージ・ガートへ向かう途中、屋台でチョーレー・バトゥーレーを食べました。料金は約40~80インドルピー(約70~140円)でした。

初めてチョーレー・バトゥーレーを見たとき、その大きく膨らんだパンにまず驚きました。ナンとは違い、風船のようにふくらんだバトゥーレーは見た目のインパクト抜群です。ひと口ちぎってチョーレーにつけて食べると、スパイスの効いた豆の旨味が口いっぱいに広がり、「これが本場の味か」と思わず感動しました。見た目以上に食べごたえがあり、一皿でしっかりお腹が満たされるのも印象的でした。

これ美味しい!
ラージ・ガート訪問
ラージ・ガートは、「インド独立の父」として知られるマハトマ・ガンディーの火葬地に建てられた記念施設で、デリーを代表する歴史的スポットの一つです。


中心にあるのは、マハトマ・ガンディーの火葬地を示す、黒い大理石のシンプルな記念碑です。
余計な装飾はなく、とても静かで厳かな雰囲気です。近くで見ると、そのシンプルさが逆に強く印象に残りました。
慰霊碑には「ヘー・ラーム(おお、神よ)」という言葉が刻まれています。
これはガンディーの最期の言葉とされており、この場所が単なる観光地ではないことを感じさせます。
慰霊碑の周囲は広々とした芝生と整えられた庭園になっています。
オールド・デリーの喧騒が嘘のように静かで、歩いているだけでも心が落ち着く空間でした。
慰霊碑のそばには火が灯され続けており、ガンディーの功績を象徴しています。
ガンディー博物館訪問
マハトマ・ガンディーの生涯や思想を知ることができる施設です。
基本情報
- 入場料:無料
- 開館時間:10:00~17:00
- 休館日:月曜日
開館時間や休館日は変更される場合があるため、訪問前に最新情報を確認してください。

ガンディーの遺品や資料展示
実際に使用していた日用品や写真、手紙などが展示されており、教科書だけでは分からない「人間としてのガンディー」を感じることができます。
暗殺までの足跡
ガンディーの最期に至るまでの出来事も丁寧に紹介されており、歴史の重みを感じる展示内容になっています。
思想や非暴力運動の解説
ガンディーが掲げた「非暴力・不服従」の考え方についても分かりやすくまとめられています。




正直、最初は「少し堅い施設かな」と思っていましたが、実際に入ってみると印象が変わりました。
静かな館内で展示を見ていくうちに、マハトマ・ガンディーがどんな人生を歩み、なぜ今も尊敬され続けているのかが少しずつ伝わってきます。
派手さはありませんが、ラージ・ガートとあわせて訪れることで、より深く理解できる場所だと感じました。
ジャーマー・マスジド訪問
ジャーマー・マスジドは、インド最大級のモスクで、シャー・ジャハーンによって17世紀に建てられました。
赤砂岩と白い大理石で造られた壮大な建築は、デリー観光のハイライトのひとつです。




ここは世界遺産ではありませんが、大勢の礼拝者を収容できる巨大なモスクで、そのスケールに圧倒されました。
入場料は無料で、写真撮影のみ有料と聞いていたのですが、実際に訪れると係員のような人物から400インドルピーを請求されました。
「少し高いな」と感じつつも、その場の流れで支払うことに。正直、この時点で少し違和感が残りました。
さらに戸惑ったのが靴の扱いです。
モスク内は靴を脱ぐ必要があり、持って入ろうとすると「預かる」と声をかけられ、特に料金の説明もないまま預けました。
ところが帰り際になって、突然100インドルピーの預かり料を請求されます。
事前に説明がなかったことに納得できず、「それなら払えないので靴を返してほしい」と伝えたところ、「50ルピーでいい」と言われ、対応に一貫性がないことにも驚きました。

靴の預かり料金は、先に確認しましょう!
最終的には追加料金を支払わずに靴を受け取ることができましたが、少し後味の悪さが残る出来事でした。
こうしたやり取りは一部のケースではありますが、現地では料金が曖昧な場面に出くわすこともあります。
そのため、事前に確認することや、納得できない場合はしっかり意思表示することの大切さを実感しました。
インドには素晴らしい歴史的建造物が数多くあるだけに、安心して観光できる環境がさらに整えば、より魅力が伝わるのではないかと感じました。
インド門訪問
インド門は、デリーを象徴するランドマークのひとつで、第一次世界大戦で亡くなったインド兵を追悼するために建てられた記念碑です。
パリの凱旋門を思わせるような堂々とした姿が印象的で、多くの人が訪れる人気スポットとなっています。
基本情報
- 入場料:無料
- 見学:屋外から無料で見学可能(夜間はライトアップされます)

高さ約42メートルの巨大なアーチ
遠くからでも目を引く大きなアーチは迫力満点。近くで見上げると、その大きさをより実感できます。


インド門を訪れて感じたのは、「記念碑でありながら、どこか身近な場所」という不思議な雰囲気でした。
壮大なアーチはとても迫力があり、近くで見上げるとその大きさに圧倒されます。
一方で、周囲には芝生が広がり、家族連れやカップルが思い思いに過ごしていて、どこか公園のような穏やかな空気も流れていました。
重い歴史を背負った場所でありながら、今は人々の憩いの場として親しまれている――そんなギャップが印象に残りました。
マニラへ
デリーを23時30分に出発し、翌朝4時51分、まだ暗いハノイに到着しました。
次のフライトまで約19時間25分もあったため、この待ち時間を利用してハノイを観光しました。市内観光を楽しんだ後、深夜0時20分発の便に搭乗しました。
マニラには朝4時16分に到着し、そのまま友人宅へと向かいました。
ベトナム航空を利用し、料金は21,934円でした。

これは安い!
インド訪問を終えて
今回のインド一人旅では、デリー、アグラ、ジャイプールを巡りました。
それぞれがまったく異なる表情を持っていて、同じ国とは思えないほど多様な体験ができました。
一方で、料金のやり取りや現地ならではの習慣に戸惑う場面もあり、決して快適なことばかりではありませんでした。
それでも、そうした出来事も含めて「インドらしさ」なのだと、今では感じています。
思い通りにいかないことも多いけれど、その分だけ印象に強く残る――そんな国でした。
街の喧騒、スパイスの香り、人々のエネルギー。
どれもが濃く、そしてどこか心に引っかかるものがあります。
正直に言えば、好き嫌いが分かれる国だと思います。
ですが、一度訪れると忘れられない魅力があるのも事実です。
また行きたいかと聞かれれば、少し迷います。
それでも、もう一度あの空気を感じてみたい――そんな不思議な余韻が残る旅でした。






