
2026年1月、77歳でインドを一人旅しました。デリーから列車でアグラへ移動し、タージ・マハルをはじめとする6つの名所を、トゥクトゥクを貸し切って巡りました。
この記事では、インド鉄道での移動、アグラ・カント駅からホテルまでの料金、実際に巡った観光コース、入場料などを、私の体験をもとに紹介します。
※本記事に掲載している料金や施設情報は、2026年1月の訪問時点のものです。
デリーから列車でアグラへ
私が予約したアグラ行きの列車は、ニューデリー駅ではなく、**ハズラト・ニザームッディーン駅(Hazrat Nizamuddin Railway Station)**からの出発でした。
乗車したのは、14時40分発、16時16分着の列車です。

インドの列車は、初心者にとって想像以上にハードルが高いものでした。日本のような改札がないため、乗客以外の人も自由にホームへ入ることができ、駅は人であふれ返っています。さらにホームの数も多く、どこで待てばいいのかがとても分かりにくく、私は到着した瞬間から戸惑ってしまいました。

駅構内には写真のような電光掲示板が設置されており、列車番号やホームの案内が表示されます。行き先だけで判断せず、予約確認書に記載された列車番号と照らし合わせることが大切です。
列車番号は予約時のバウチャーにも記載されているので、事前に確認しておくと安心です。
しかし私の場合、最初はこの仕組みをよく理解しておらず、ホームばかり気にしてしまい、なかなか自分の列車を見つけることができませんでした。
電光掲示板を何度見ても自分の列車がどのホームなのか確信が持てず、「もし間違えたらどうしよう」「このまま乗り遅れるのでは…」とだんだん焦りが募ります。
結局、私は近くにいたインド人に何人も声をかけ、ホームを確認しながら移動しました。教えてくれる人はとても親切なのですが、答えが少しずつ違うこともあり、そのたびにまた不安に…。列車が入線してきたときは、ようやくたどり着けたという安堵感でいっぱいでした。
インドの駅は広く、人も多いため、出発直前に到着すると余裕がなくなってしまいます。初めて利用する場合は、少なくとも1時間ほど前に到着し、電光掲示板で列車番号とホームを確認することをおすすめします。

電光掲示板で列車番号をしっかり確認しましょう!

車内は満席でした。

車内では、おやつとジュースも配られました。慣れない駅で苦労しただけに、列車に乗ってからはようやく落ち着くことができました。
アグラ・カント駅からマヤホテルへ
アグラ・カント駅(Agra Cantt)に到着すると、駅を出たところで大勢のトゥクトゥク運転手から声をかけられました。次々と話しかけられて少し圧倒されましたが、その中の一人と交渉し、ホテルまで**120インドルピー(約205円)**で乗せてもらうことになりました。
走り出すと、運転手から「明日の観光はどうする?」と提案されました。行きたい場所と料金を一つずつ確認しながら交渉し、翌日は次の6か所を巡ることになりました。
- タージ・マハル
- ジャーマー・マスジド
- チーニー・カ・ラウザ
- イティマード・ウッダウラ廟
- メフターブ・バーグ
- アグラ城
6か所を巡る貸し切り料金は、**1,500インドルピー(約2,563円)**でした。入場料は含まれていません。
本当にこの金額で大丈夫なのか少し不安もありましたが、結果的には効率よく名所を巡ることができました。ただし、出発前に訪問先、料金、入場料の有無、最後に送ってもらう場所まで確認しておくと安心です。

マヤホテルです。

マヤホテルの宿泊料金は、1泊2,839円でした。

夕食はホテルで、パニールバターマサラとガーリックナンをいただきました。
パニールバターマサラは、インドのフレッシュチーズ「パニール」が入った、クリーミーでマイルドなトマトベースのカレーです。ガーリックナンは、ニンニクの香りが豊かな、タンドール窯で焼かれたパンです。

ビール込みで約500インドルピー(約852円)。とてもおいしかったです!
タージ・マハル訪問
建てられた理由
タージ・マハルは17世紀、ムガル帝国の皇帝シャー・ジャハーンが、亡くなった妃ムムターズ・マハルを弔うために建てた白大理石の霊廟です。その背景から、「永遠の愛の象徴」とも呼ばれています。
- 建設開始:1632年頃
- 主要部分の完成:1648年頃(付属施設を含む工事は1653年頃まで続いたとされます)
- 登録:ユネスコ世界文化遺産(1983年)


入口の門をくぐると、正面の奥に白く輝く建物がゆっくりと姿を現しました。その瞬間、思わず足が止まります。写真で何度も見ていたはずなのに、実物はまったく別物でした。静けさの中にたたずむ姿は、想像以上に神秘的でした。






近づいてみると、白大理石には色石を埋め込んだ繊細な装飾が施されており、職人たちの技術の高さに驚かされました。遠くから眺める優雅さと、間近で見る緻密さ。その両方を味わえるのがタージ・マハルの魅力です。

アグラの街はにぎやかで活気がありますが、ここだけは時間がゆっくり流れているように感じました。世界中の人々が憧れる理由を、実際に訪れて初めて理解できた気がします。

入場料は1,300インドルピー(約2,215円)でした。
ジャーマー・マスジド(モスク)訪問
基本情報
- 建設時期:1644年~1648年
- 建立者:ムガル皇帝シャー・ジャハーンの長女、ジャハーナーラー・ベーグム
- 建築様式:赤砂岩を主体としたムガル建築
- 入場料:無料(訪問時)

世界遺産ではありません。


アグラ観光で、タージ・マハルやアグラ城の見学とあわせて立ち寄ったのが ジャーマー・マスジド です。世界的に有名な観光地とは少し違い、地元の人々の生活や信仰を身近に感じられる場所でした。
モスクは旧市街のにぎやかなバザールの中にあり、周囲には商店や人の往来が絶えません。その喧騒の中を歩いていくと、突然、赤砂岩の大きな建物が現れます。白大理石の タージ・マハル とは対照的で、落ち着いた重厚さが印象的でした。
このモスクは、ムガル皇帝シャー・ジャハーンの長女ジャハーナーラー・ベーグムによって建てられました。観光客の姿もありますが、実際に礼拝に訪れる人も多く、静かで厳かな空気が流れていました。
入口で靴を脱いで中へ入ると、広い中庭が広がり、石の床の感触からも長い歴史を感じます。豪華な装飾というよりは、日常の中で大切に使われ続けている建物という印象でした。
世界遺産ではありませんが、華やかな観光名所だけでは見えない“本当のアグラ”を感じられる場所でした。
チーニー・カ・ラウザ廟訪問
基本情報
- 建設年代:17世紀(1635年頃)
- 種類:霊廟
- 被葬者:アフザル・カーン・シラーズィー(ペルシャ出身の学者・宰相)
- 特徴:ムガル建築にペルシャ文化の影響が見られる
- 入場料:無料(訪問時)

世界遺産ではありません。



華やかな観光地とは違い、ここには落ち着いた静かな時間が流れていました。
チーニー・カ・ラウザは17世紀、ムガル帝国の時代に建てられた霊廟で、ペルシャ出身の学者であり宰相でもあったアフザル・カーン・シラーズィーの墓とされています。「チーニー」とは陶器やタイルを意味し、その名のとおり、建物には色鮮やかな釉薬タイルが使われていました。
現在は年月の経過により色あせている部分もありますが、青や緑の装飾がところどころに残り、当時の美しさを想像させてくれます。豪華さを競うタージマハルとは対照的で、どこか素朴で温かみのある雰囲気が印象的でした。
観光客はほとんどおらず、ヤムナー川から吹く風を感じながらゆっくり見学できるのも魅力のひとつ。賑やかな観光地に少し疲れたとき、ほっと一息つける場所です。
世界遺産ではありませんが、ムガル建築とペルシャ文化が融合した貴重な建物であり、アグラの歴史の奥深さを感じられるスポットでした。
イティマード・ウッダウラ廟訪問
基本情報
- 建設時期:1622年~1628年頃
- 建立者:皇后 ヌール・ジャハーン
- 被葬者:父で宰相だったミールザー・ギヤース・ベグ

世界遺産ではありません。
入場料は300インドルピー(約515円)でした。



入口をくぐると、まず感じたのは「人の少なさ」です。世界的に有名なタージ・マハルとは違い、観光客の喧騒がほとんどなく、ゆったりとした時間が流れていました。庭園越しに見える白い霊廟は、派手さはないものの、とても上品で落ち着いた印象でした。


近づいて驚いたのは装飾の細かさでした。壁には色石を埋め込んだ繊細な模様がびっしりと施されていて、遠くから見るよりも、むしろ近くで見る方が美しさが伝わってきます。「ベビー・タージ」と呼ばれる理由を実感しましたが、個人的には小さいからこその親密さがあり、建物をじっくり味わえる場所だと感じました。
霊廟の周囲を歩いていると、すぐ横を流れるヤムナー川の穏やかな景色も目に入ります。観光名所を巡る忙しさの中で、少し気持ちを落ち着かせてくれる、そんな空間でした。
メフターブ・バーグからタージ・マハルを眺める
メフターブ・バーグは、ヤムナー川を挟んでタージ・マハルの対岸にあるムガル式庭園です。タージ・マハル全体を正面から眺められ、落ち着いた雰囲気の中で景色を楽しめます。
基本情報
- 位置:ヤムナー川を挟んでタージ・マハルの対岸
- 起源:ムガル帝国初代皇帝バーブルの時代(16世紀初頭)
- 特徴:四分庭園形式のムガル式庭園


タージ・マハル観光のあと、少し違った角度からその姿を見たいと思い、メフターブ・バーグを訪れました。ここからは、ヤムナー川の対岸に立つタージ・マハル全体を正面から眺めることができます。
入口を入って歩いていくと、視界が開けた瞬間、遠くに白く浮かび上がる タージ・マハル が現れました。間近で見る迫力とは違い、ここでは建物の左右対称の美しさがよく分かり、「完成された建築物だな」と改めて感じます。
園内は思っていたより静かで、観光客も少なめ。ベンチに座りながらゆっくり景色を眺めている人や、写真を撮りながら夕暮れを待つ人の姿が印象的でした。
華やかな観光地というより、「静かにタージマハルを味わう場所」。にぎやかな観光の合間に立ち寄ったことで、旅の時間が少しゆっくり流れたように感じました。
世界遺産・アグラ城訪問
アグラ城は巨大な赤砂岩の城塞で、ムガル帝国の権力と繁栄を象徴する歴史的建造物です。タージ・マハルと並ぶアグラ観光のハイライトで、世界遺産に登録されています。
基本情報
- 建設開始:1565年頃
- 建設者:ムガル皇帝アクバル
- 登録:ユネスコ世界遺産(1983年)
- 規模:城壁の全長 約2.5km

入場料は650インドルピー(約1,116円)でした。

アグラ観光というと真っ先に思い浮かぶのはタージマハルですが、歴史の重みを強く感じたのは アグラ城 でした。


入口をくぐった瞬間、まず目に入るのは巨大な赤い城壁。その迫力は想像以上で、「城」というよりも要塞に近い印象です。しかし中へ進んでいくと雰囲気は一変し、広々とした中庭や優雅な宮殿が現れ、かつてここが帝国の中心だったことを実感します。







歩いていると、赤砂岩の建物の中に突然白大理石の宮殿が現れます。この対比がとても印象的で、時代ごとに皇帝たちが城を発展させてきた歴史が目に見えるようでした。豪華さの中にもどこか落ち着きがあり、単なる観光地というより「生きた歴史」を歩いている感覚になります。

特に印象に残ったのが、皇帝シャー・ジャハーンが晩年を過ごしたとされる場所です。そこから遠くを眺めると、かすかにタージ・マハルの姿を見ることができます。愛する妃の霊廟を遠くから眺めていたという話を思い出し、華やかなムガル帝国の裏側にある人間らしい物語を感じました。
タージマハルが「感動する美しさ」だとすれば、アグラ城は「歴史を体感する場所」。両方を訪れたことで、アグラという街の魅力がぐっと深まった気がします。
アグラからジャイプールへ
アグラ観光を終えたあとは、次の目的地ジャイプールへ向かいました。
続きはこちらをご覧ください。
👉【77歳海外一人旅】インド旅行記③|ジャイプールのピンクシティとアンベール城を巡る
アグラ旅行のまとめ
初めて利用するインド鉄道では、列車番号やホームが分からず苦労しました。しかし、早めに駅へ到着し、周囲の人に確認しながら行動することで、無事にアグラまで移動できました。
アグラでは、トゥクトゥクを1日貸し切ったことで、タージ・マハルだけでなく、アグラ城やイティマード・ウッダウラ廟など6か所を効率よく回れました。
なかでも、初めて目にしたタージ・マハルの美しさは忘れられません。一方、アグラ城ではムガル帝国の歴史を肌で感じることができ、対岸のメフターブ・バーグから眺めたタージ・マハルも印象に残りました。
アグラを訪れるなら、タージ・マハルだけで終わらせず、周辺の歴史的建造物もあわせて巡ることをおすすめします。

初めてのインド鉄道は不安の連続でしたが、アグラまで来たからこそ見られた景色がたくさんありました!






