2026年5月、フィリピン北部を巡る旅に出ました。
今回の旅程は、マニラからラオアグへ向かい、世界遺産の街ビガンを経て、山岳都市バギオを訪れるルートです。
最初の目的地となったラオアグには、スペイン統治時代の面影を残す建物や、不思議な名前で知られる「沈みゆく鐘楼」、地元の暮らしを感じられる公設市場などがあります。
この記事では、マニラからラオアグへの夜行バスでの移動、実際に巡った観光スポット、トライシクルの料金、ラオアグからビガンへの行き方を、私の体験を交えて紹介します。
なお、記事内の料金や交通情報は、2026年5月の訪問時点のものです。利用する際は、現地で最新情報をご確認ください。
マニラのPartas Bus Terminal Cubaoへ
ラオアグへ向かうために利用したのは、フィリピンの長距離バス会社**パルタス(Partas)**です。
出発場所は、マニラのクバオ地区にあるPartas Bus Terminal Cubao。北ルソン方面へ向かう長距離バスの発着拠点の一つです。

ターミナルには多くの乗客やバスが行き交い、出発前らしい活気がありました。これから始まる長距離移動を前に、「いよいよ北フィリピンの旅が始まる」という気持ちが高まります。



ラオアグ行きのバス時刻表です!
夜行バスでラオアグへ
私が乗車したのは午後8時発の夜行バスです。運賃は**1,176ペソ(約3,027円)**でした。

バスは満席でしたが、車内にトイレが設置されていたため、長時間の移動でも安心感がありました。

満席でしたが、車内にトイレがあったので安心でした。

夜のマニラを離れると、車窓に見えていた街の明かりが少しずつ減っていきます。
ラオアグまでは長時間の移動になりますが、夜行バスなら眠っている間に目的地へ近づけるため、旅行時間を有効に使えます。
「朝、目を覚ましたらラオアグに着いている」
そんな夜行バスならではの期待を感じながら、北フィリピンへの旅が始まりました。
午前6時前、ラオアグに到着
夜行バスは、午前6時前にラオアグのパルタス・バスターミナルに到着しました。
まだ朝早く、観光を始めるには少し時間があります。そこで、ターミナル近くのジョリビー(Jollibee)で朝食を済ませることにしました。
長時間の夜行バス移動を終え、朝食をとりながらひと休み。
外も少しずつ明るくなってきたので、いよいよラオアグの街歩きを始めます。
最初に向かったのは、ラオアグを代表する観光スポット、**沈みゆく鐘楼(Sinking Bell Tower)**です。
沈みゆく鐘楼(Sinking Bell Tower)
ラオアグの中心部を歩いていると、ひときわ目を引く大きなレンガ造りの塔が見えてきます。街を代表する名所、**沈みゆく鐘楼(Sinking Bell Tower)**です。

名前を聞いたときは「本当に沈んでいるのだろうか」と半信半疑でした。しかし、実際に目の前に立つと、その大きさと重厚な姿に圧倒されます。
この鐘楼は、近くにあるセント・ウィリアム大聖堂の鐘楼として建てられました。教会から少し離れた場所に独立して建っているのが特徴です。
高さは約45メートルとされ、重厚なレンガ造りの外観から長い歴史を感じます。一方、塔が建つ土地は地盤が比較的柔らかく、建物の重さなどによって長い年月をかけて少しずつ沈下してきたといわれています。

この鐘楼は、砂質の地盤の上に建てられた巨大な建物で、その重さなどによって長い年月をかけて徐々に沈下してきたと考えられています。
昔は馬に乗ったまま入口を通ることができたと伝えられていますが、現在では入口の高さがかなり低くなっており、鐘楼が沈んできたことを感じさせます。
私が訪れた2026年5月には入口は閉まっており、鐘楼の内部へ入ることはできませんでした。 そのため、外から鐘楼を見学しました。

観光客はそれほど多くなく、私は比較的ゆっくり見学できました。鐘楼を見上げながら、「この塔は何百年もの間、ラオアグの街を見続けてきたのだな」と想像しました。
珍しい名前だけでも興味を引きますが、実物の存在感は想像以上です。ラオアグを訪れたら、ぜひ見ておきたい場所です。
セント・ウィリアム大聖堂
沈みゆく鐘楼の近くにあるのが、**セント・ウィリアム大聖堂(St. William’s Cathedral)**です。

この教会はスペイン統治時代に起源を持ち、その後、再建や修復を重ねながら現在まで受け継がれてきました。分厚い壁と堂々とした外観が印象的で、ラオアグの歴史を感じさせる建物です。
街の中心部にありながら、教会の前に立つと周囲の賑わいとは少し違う、落ち着いた空気を感じました。


内部へ入ると、高い天井と奥にある祭壇が目に入ります。外の暑さや街の喧騒から離れた静かな空間で、地元の人々にとって今も大切な祈りの場所であることが伝わってきました。
外へ出ると、すぐ近くには沈みゆく鐘楼があります。大聖堂と鐘楼を一緒に巡ることで、ラオアグに残るスペイン統治時代の歴史をより身近に感じられました。
タバコ専売廃止記念碑
ラオアグ市内にある**タバコ専売廃止記念碑(Abolition of Tobacco Monopoly Monument)**は、北フィリピンの歴史を伝える場所です。

スペイン統治時代、フィリピン北部では政府によるタバコの専売制度が行われていました。農民はタバコの栽培を課され、自由に販売できないなど、大きな負担を抱えていたとされています。
この制度が1881年に廃止されたことを記念し、翌1882年に記念碑が建てられました。
見た目だけでは通り過ぎてしまいそうな記念碑ですが、その背景を知ると、当時の人々の暮らしや社会の変化が見えてきます。
沈みゆく鐘楼やセント・ウィリアム大聖堂とあわせて訪れると、ラオアグの歴史をより深く理解できます。
ラオアグ公設市場(Laoag Public Market)
歴史的な観光スポットだけでなく、その土地の日常を感じられる場所を訪ねることも旅の楽しみです。ラオアグで現地の暮らしに触れられる場所が、**ラオアグ公設市場(Laoag Public Market)**です。

市場へ入ると、まず感じたのは人の多さと活気でした。
野菜や果物、魚、肉、日用品などが所狭しと並び、売り手と買い物客の会話があちこちから聞こえてきます。


見慣れた食材もあれば、日本ではあまり見かけない南国の果物もあります。

色鮮やかな品物を眺めながら歩くだけでも楽しく、地元の人たちが買い物や値段交渉をする様子も印象に残りました。



朝食の食材を選ぶ人、店先で談笑する人、忙しそうに商品を並べる人。市場は商品を売買するだけでなく、地域の人々の生活が集まる場所なのだと感じました。
沈みゆく鐘楼や大聖堂を見学した後に市場へ立ち寄ると、「観光地としてのラオアグ」と「暮らしの場としてのラオアグ」の両方に触れられます。
イロコス・ノルテ博物館
ラオアグやイロコス地方の歴史と文化をさらに知りたい方には、**イロコス・ノルテ博物館(Museo Ilocos Norte)**がおすすめです。

私が訪れたときの入場料は、**大人50ペソ(約129円)**でした。

入場料は大人50ペソでした。
館内には、イロコス地方の歴史や伝統文化、生活用品、民族資料などが展示されています。
古い写真や地域の人々が実際に使っていた道具もあり、街を歩くだけでは分からない当時の暮らしを知ることができました。





展示を見た後では、街中の建物や記念碑に対する印象も変わります。
時間に余裕があれば、街歩きの早い段階で訪れると、その後の観光をさらに楽しめると思います。
トライシクルを500ペソでチャーター
ラオアグ市内の観光地巡りには、トライシクルを利用しました。
トライシクルは、オートバイに客席付きのサイドカーを取り付けた、フィリピンでは一般的な乗り物です。街中で手軽に利用でき、走行中に風を感じながら現地の景色を楽しめます。


トライシクルです。
料金は運転手と交渉し、複数の観光スポットを巡るチャーターで**500ペソ(約1,290円)**になりました。
観光地を何か所か回る場合は、その都度料金を支払う方法だけでなく、行き先をまとめて伝えてチャーター料金を決める方法もあります。
乗車前に訪れたい場所、待ち時間、最終目的地、合計料金を確認しておくと安心です。
トライシクルに揺られながら街を走った時間も、ラオアグらしさを感じられる楽しい体験になりました。
ラオアグからバスでビガンへ
ラオアグ観光を終えた後は、次の目的地ビガンへ向かいました。
ラオアグのパルタス・バスターミナルからビガン行きのバスに乗車し、運賃は**188.50ペソ(約485円)**でした。

私が利用したときは、案内に**Every Hour(1時間ごと)**と表示されており、比較的利用しやすい運行本数でした。
ただし、時刻や運賃は変更される可能性があるため、当日にターミナルで確認してください。

バスにはトイレも設置されていました。

ビガン行きのバスにも、車内トイレがありました。
車窓には北フィリピンらしい風景が広がります。ラオアグで見た歴史的な建物や市場を思い返しながら、次の街ビガンへ向かいました。
ラオアグ観光を終えて
ラオアグでは、沈みゆく鐘楼やセント・ウィリアム大聖堂からスペイン統治時代の歴史を感じ、公設市場では現在の人々の暮らしに触れることができました。
タバコ専売廃止記念碑やイロコス・ノルテ博物館もあわせて巡ることで、建物を見るだけでは分からないイロコス地方の歴史や文化を知ることができます。
市内の主な見どころはトライシクルで回ることができ、観光を終えた後はバスでビガンへ移動できます。ラオアグは、北フィリピンを巡る旅の最初の目的地として、印象に残る街でした。
次回は、スペイン統治時代の街並みが残る世界遺産の街、ビガンを紹介します。






